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CDC 7600 : ウィキペディア日本語版
CDC 7600

CDC 7600は、CDC 6600 の後継機としてシーモア・クレイが設計したコンピュータであり、1970年代に向かうスーパーコンピュータ市場におけるコントロール・データ・コーポレーションのシェアを伸ばすことに貢献した。クロック周波数は36.4MHz(クロックサイクルは27.5ナノ秒)で、65Kワードの主記憶(磁気コアメモリ)と可変容量(最大512Kワード)の二次記憶を備えている。6600の約10倍の速さであり、アセンブリ言語で書いたコードでは約10MFLOPSの性能を発揮し、理論上のピーク性能は36MFLOPSとされていた〔Gordon Bell - A Seymore Cray Perspective 〕。さらに1970年初めに行われたベンチマークテストで、ライバルであるIBMSystem/360 Model 195 より若干よい性能を示した。1969年にリリースされた当時、オプションや機能を追加すると価格は500万ドル以上となった。
== 開発 ==
6600がリリース間近になるとクレイは興味を失い、その後継機の設計を開始した。マシンを「多少」速くすることは1960年代末には難しいことではない。集積回路の導入は部品の実装密度を上げ、クロック速度の向上をもたらす。トランジスタも製造工程と品質の改善によって若干性能が向上していた。しかし、これらの改良で見込める性能向上は2倍、がんばっても5倍であり、クレイの目標である10倍は達成できない。6600 で機能ユニットを10個搭載して並列性を利用しているため、さらに機能ユニットを追加しても効果は期待できなかった。
この問題を解決するために、クレイは命令パイプラインの採用を考えた。6600では、複数の命令を同時に実行できるが、ひとつの機能ユニットがある命令を実行している間は完了を待って次の命令を渡す必要があった。ある期間、ひとつのユニットの中の大部分の回路は使われていない。パイプラインでは前の命令が完了する前に次の命令を供給し、従ってマシン全体と同様に各ユニットも効果的に並列動作する。性能改善の程度は、ユニットが処理を完了するまでの過程を何段階に分割するかにかかっている。例えば6600で除算は10サイクルかかったが、これをパイプライン化すれば10倍の速度となることが期待できる。
しかし事は決してそんなに単純ではない。パイプライン方式は、ユニットの回路をステップ毎に完全に分離しなければならない。これは非常に困難である。それでも 7600 でのパイプラインは 6600 と比較して性能を3倍に向上させた。
クレイは以前と同様、実装の問題に注力し、サイズを小さくして信号経路を短くし、動作周波数を上げることに努めた。7600では、各回路モジュールは最大6枚のPC基板から構成される。各基板には超小型の抵抗器ダイオードやトランジスタをびっしり実装した。6枚の基板は重ねられ、相互接続され、非常にコンパクトにまとめられた。ただし、そのために修理は困難になった。
しかし、その稠密なパッケージングは最も大きな問題をもたらしていた。発熱問題である。7600のために、クレイは6600と同様にディーン・ラウシュに依頼した。冷凍庫を専門とする Amana 社出身の技術者である。ラウシュはアルミニウムのプレートを回路モジュールの側面にあて、マシンのコアを通るフレオンでそれを冷やした。このシステムはメカニカルで故障しやすかったため、7600は、上から見ると「C」の形状に再設計された(Cray-1のように丸くはない)。これは冷却パイプのどちら側にもアクセスできるようにしたもので、Cの中に入って行ってキャビネットを開くことで、内側からも内部にアクセスすることができた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「CDC 7600」の詳細全文を読む




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